2025年5月17日・18日に東京ビッグサイトで開催された「東京GX アクションチェンジング(以下、東京GX)」では、モビリティ以外にもさまざまなGX(グリーントランスフォーメーション)技術が出展されたが、SMJの読者も気になりそうなものを紹介しておこう。

植物が発電する!?「ボタニカルライト」

画像: 写真では分かりにくいのだが、左の球体の中で小さなLEDが点灯している。

写真では分かりにくいのだが、左の球体の中で小さなLEDが点灯している。

植物とイルミネーションによる演出や壁面緑化を行う企業グリーンディスプレイは、「ボタニカルライト」という植物の力で発電したイルミネーションを出展。石油や原子力はもちろん、太陽光や風力といった自然エネルギーも使わない発電といわれてもピンとこないかもしれない。これは簡単にいってしまえば、植物と共存する微生物が放出する電子を利用して発電するというものだ。

植物が光を浴びて光合成で糖(デンプン)を作り、その糖を土の中にいる微生物が食べて分解することで電子が発生。その電子が土中にセットしたー極のマグネシウムから+極の備長炭へ流れるときに電気が発生するというシステムだ。電源がなくても、植物が元気に育つ環境さえあれば電力を得ることができる、未来のエネルギーなのだ。

電気を引かなくても設置でき、しかも環境にやさしく長期的な発電ができるこのシステムは、すでに渋谷ヒカリエのヒカリエデッキをはじめとしてボタニカルライトによるイルミネーションが採用されている。

画像: グリーンディスプレイのブース全体。

グリーンディスプレイのブース全体。

プロダクトは現在開発中のため、設置からメインテナンスまでグリーンディスプレイが担当しているが、1セットは備長炭6〜7本とマグネシウム6枚、そして灯体1灯(植物やプランターは含まず)。これで発電力は電圧が3.3V、電流が30〜60mA、電力はおよそ0.1Wだ。

発電した電気は照明として利用する以外にも、ファンを回したりポータブル電源への充電など、さまざまな形で利用できる。さらに、休耕地に設置してエネルギーファームとして有効活用するほか、空き地や庭に導入して夜道を明るく照らす防犯対策、また平常時は照明だが停電や災害時は非常用電源として活用するなど、可能性は広がる。

グリーンディスプレイでは、ボタニカルライトの可能性を広げるべく、日々研究開発を行っている。

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