「利用者への交通安全教育」「危険ユーザーへのペナルティ」「サービスの安全性向上」を強化
Luupは、日本各地の移動課題を解決することを目指し、2020年から電動マイクロモビリティのシェアリングサービス「LUUP」を展開してきた。しかし、急速なサービス拡大とともに交通違反や事故も多く発生しているのも事実としてある。そこで安全対策の強化と改善が最重要課題となっていた。
(注)Luupは運営会社名、LUUPは提供サービス名である。
今回導入されることになった対策は、「利用者に対する交通安全教育・啓発」「危険利用者への厳しい対処」「車両・サービスの安全性向上」の3つの観点から進められる。

3つの観点で交通事故予防策を実施している。
交通ルールテストを変更、すべての既存のユーザーも再受験
「利用者に対する交通安全教育・啓発」では、利用前の交通ルールテストの内容が強化されることになる。従来から交通ルールテストに全問を連続で正解し、合格しないと電動キックボードの利用ができなかったが、今回から下記のとおり内容を変更。
①試験問題の追加(11問→14問、一時停止や信号などに関する問題を追加)
②出題形式のランダム化(出題順を把握できないようにする)
③イラストで理解促進(全設問にイラストを挿入しわかりやすく解説)
以上が実装されることになり、交通ルールの理解度向上が図られる。

新交通ルールテストはイラスト付きでよりわかりやすくなっている。既存ユーザーも再受験しないと電動キックボードが利用できなくなる。
ちなみに従来のテストに合格しているLUUP利用者も全員、2025年5月1日〜6月1日の間に受験する必要がある。これに合格しないとLUUPの電動キックボードを利用できなるなるため、期間中に忘れずに受験しておこう。
危険利用者のペナルティ強化
LUUPにはこれまでも、利用者が交通違反で取り締まられた場合、アカウント停止措置を含むペナルティを科す制度「交通違反点数制度」が導入されている。
今回は新たな取り組みとして、危険行動検知システムである「LUDAS(LUUP Dangerous-Activity Detection Systems)」が2025年4月下旬に追加導入されることになる。
主に車両に搭載されたGPSで取得できる利用者の移動経路データを用いた制度で、下記の行為を検知すると警察の取り締まりにかかわらず、交通違反や危険行為に対して警告・ペナルティを課していくという。
①公園・広場の走行
②通行禁止道路の走行
③大通りの逆走・逆側歩道走行
一方で、警告や課されるペナルティ制度は下記のような流れで運用される。
①検知情報が届いたら、オペレーターが確認
②オペレーターが、危険走行を検知した時刻前後の移動軌跡など、他の情報も加味して警告・ペナルティを科すかを判断
③警告:アプリ内やメールで具体的な警告を表示、ペナルティ:利用停止措置などを実行

警告・ペナルティ制度の流れ。
また、このLUDASによる検知に加え、各道路の管理者等の関係機関と連携の上、危険走行に関する情報提供を受けることができるように、今後も検討・協議を重ねていくとしている。
誤進入防止サポート機能
自分の走行予定ルートで遭遇する可能性がある「進入してはいけない場所」をアプリのマップ上で照らし合わせ、確認する機能で、2025年6月中に導入されるという。

走行予定ルート上に進入禁止エリアがある場合、アプリ画面にその旨が大きく表示される。
利用開始後のアプリ画面上でもマップ上に表示されるので、間違って禁止エリアに進入してしまうというというハプニングを予防できるようになる。
Luupは全社を挙げて対策強化に取り組むことで、利用者のみならず、非利用者の不安払拭に注力し、安全・安心に利用できる交通インフラとしての環境を整えていくとともに、警察や自治体、企業等とも連携しながら、不断の努力を続けていくとしている。