SkyDrive(スカイドライブ)は、空飛ぶクルマ「SKYDRIVE(SkyDrive式SD-05型)」の型式証明活動において、国土交通省航空局から適用基準を発行された。これにより、同社の空飛ぶクルマの耐空性および環境基準の詳細が固まり、開発が加速する見通しだ。また、EXPO 2025 大阪・関西万博での披露目に向け、飛行試験を行っている「SKYDRIVE」も初公開された。

新ジャンルの航空機ゆえに型式証明が難しい

スカイドライブはいわゆる「空飛ぶクルマ」を手がけるスタートアップで、大阪・関西万博でのデモ飛行や2028年の商用運航実現を目指して開発を行なっている。

2024年12月には、大阪・関西万博閉会後の商用運航ルートとして、「新大阪・梅田」「森之宮」「天王寺・阿倍野」「ベイエリア」の4エリアを結んだ「大阪ダイヤモンドルート構想」を発表し、2028年の森之宮エリアでのサービス開始を目標にしている。

画像: 2028年をめどに大阪の「森之宮」エリアにて商用運航を開始するとしている。

2028年をめどに大阪の「森之宮」エリアにて商用運航を開始するとしている。

この商用運航にあたっては航空機としての型式証明取得が求められることとなり、2022年3月に空飛ぶクルマの型式証明審査適用基準を「耐空性審査要領第 II 部(第61改正)」ベースで構築することについて、航空局と合意していたという。

型式証明の審査基準は、広範かつ複雑な作業の集積により策定されるものであるため、特に空飛ぶクルマのような新しいジャンルの航空機については、型式証明取得のために必要なすべての基準が事前に用意されているわけではない。

個々の機種に特化した基準を設定するために、航空局と協議を重ね、要件が定まると、適用基準が発行されることになり、空飛ぶクルマの適用基準では「バッテリ・セルを監視し、過電圧、電力不足、過電流、過熱といった状況にならないよう保護する措置を取らなければならない」など、電動機を備えた機体に特有の要件が含まれている。

型式証明取得に向けて一歩前進

今回は国土交通省航空局との間で、スカイドライブが開発中の機体「SKYDRIVE(SkyDrive式SD-05型)」に特化した審査基準の詳細についてほぼ合意に至ったことから、適用基準の発行が行われた。

今後はこの審査基準に基づき、すでに航空局と議論を開始した試験の実施時期や内容について合意した上で証明計画を策定し、地上試験や飛行試験を実施していくことになる。

画像: 日本・アメリカ両方の航空局にて型式証明の認証プロセスを進めている。

日本・アメリカ両方の航空局にて型式証明の認証プロセスを進めている。

これにより、空飛ぶクルマの満たすべき耐空性および環境基準の詳細がほぼ確定したことになるため、機体の開発はさらに加速する見込みだ。

ちなみに今回の発表と同時に、大阪・関西万博での公開を目指して飛行試験を行っている「SKYDRIVE(SkyDrive式SD-05型)」の実機も初公開されており、順調に開発が進んでいると言えそうだ。

画像: 初公開された「SkyDrive式SD-05型」の実機。

初公開された「SkyDrive式SD-05型」の実機。

なお、スカイドライブは日本の航空局とアメリカ連邦航空局(Federal Aviation Administration、以下「FAA」)に対する型式証明活動に同時に取り組んでおり、日本での型式証明取得後、米国でも速やかに型式証明を取得できるよう進めていくという。

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