「STLAミディアムプラットフォーム」をベースに開発
コンパクトSUVで同ブランド初のフル電動SUVである「アベンジャー(Avenger)」の国内発売が始まったばかりのジープ。その兄貴分となる「新型コンパス(Compass)」の発表を予告するティザー画像が公開された。
現行型のコンパスは第2世代にあたる。2016年に発表され、2021年にフェイスリフトが施された。現在日本で販売されているモデルは、マルチエア方式を採用した2.4L直列4気筒ガソリンエンジンを搭載。前輪駆動(6速AT)とオンデマンド式全輪駆動(9速AT)をラインナップしている。全長4420×全幅1810×全高1640mmという日本の道路事情にもマッチしたサイズ感で、Jeepのブランド力も相まって人気モデルとなっている。
さっそく2025年から生産が始まる新型、つまり第3世代コンパスについて、現在判明している情報をまとめておこう。
最初に生産が始まるのがイタリアのメルフィ工場であることからもわかるとおり、第3世代コンパスは「STLAミディアムプラットフォーム」をベースに構築されている。つまり、プジョー3008/E-3008ほか、今後登場するステランティスグループのC/Dセグメント車と多くを共用することになる。
パワーユニットは国と地域に応じて選択されるが、内燃機関、ハイブリッド(プラグインハイブリッドやマイルドハイブリッド)、さらにEVまで幅広くラインナップするという。駆動方式について公式なアナウンスはまだないが、FWDとAWDをラインナップすることは間違いないだろう。
STLAミディアムを最初に採用したプジョー3008/E-3008を参考に予想すると、第3世代コンパスもガソリン車(とマイルドHV車)はFWD、PHEVとEVモデルはFWDとAWDの2本立てとなる可能性が高い。ガソリン車は1.2L直列3気筒ターボと6速DCT、PHEVは1.6L直4ターボ/モーターと7速DCTの組み合わせになるはずだ。
第2世代コンパスは、欧州仕様が1.5L直列4気筒ターボのマイルドHVと1.3L直列3気筒ターボのPHEV、日本仕様は2.4L直列4気筒。第3世代では、より環境性能が高いパワーユニットに換装される。AWDを採用するEVの上位グレードは前後にモーターを備え、その合計出力は240kW(約320ps)を発生し、96kWhのロングレンジバッテリー搭載車の航続距離は700kmに迫りそうだ。
ステランティスは「手ごろな価格ながら、ジープブランドに相応しい最高のパフォーマンス、そして先進的なテクノロジーを提供する」とアナウンスしている。ティザー画像は、より大型の新型グランドチェロキーやワゴニアSを彷彿とさせるが、実車は第2世代よりほんの少し大きくなる程度と予想されている。おそらく、年内には追加情報が明らかになるはず。ジープブランドやSUVに興味のある方は、今後の動向にアンテナを張っておくことをお勧めしたい。