2024年10月2日、英ケータハムは新型EVスポーツカー開発プロジェクト「プロジェクトV」にヤマハ発動機が参画すると発表した。ヤマハはEVのパワートレイン主要部に当たる「eアクスル」を開発・供給するという。

日本と関係の深いブリティッシュライトウェイトスポーツカー

ケータハムは1953年にロータスのディーラーとしてスタートしたイギリスの自動車メーカー。1973年にロータスが「セブン」の生産を終了した際、「セブン」の製造権をロータスより取得し、以後この「セブン」シリーズを主に生産し続けているニッチなスポーツカーメーカーとして有名だ。

2021年に愛知県を拠点とする自動車ディーラー「VTホールディングス」により買収され、同社の100%子会社になったため、現在では日本資本のメーカーである。

「プロジェクトV」は、Light-weight(軽量)、Simple(シンプル)、Fun-to-Drive(ドライビングの楽しみ)を追求するケータハムのDNAを受け継いだEVスポーツクーペで、2023年7月に英国グッドウッド・フェスティバル・オブ・スピードにてコンセプトカーを世界初公開、日本でも2024年1月の東京オートサロンでお披露目された最新スポーツカーだ。

現在、株式会社東京アールアンドデー(東京R&D)とプロトタイプ車両の開発・製作を進めており、プロトタイプ車両の完成は2025年央頃を目標としている。

今回協業を発表したヤマハは、EVのパワートレイン主要部に当たる「eアクスル」を独自開発し、その試作品をケータハムと東京R&Dが開発・生産を進めるプロトタイプ車両向けに供給するほか、車両の運動制御においても技術や知見を提供するという。

EVのケータハムは受け入れられるか

「プロジェクトV」は、クラシカルなセブンシリーズとは異なり先進的なデザインが特徴で、リヤアクスルに搭載された200kW(272ps)のシングルモーターを動力源とする電動パワートレインを採用し、0→100km/h加速は4.5秒未満、推定最高速度は230km/h、航続距離は400kmとなる予定だ。

また、55kWhのバッテリーを搭載し、15分間で20〜80%(60%分)の充電が可能で、EVとしては軽量な車重1190kgを目標としている。

ちなみに、「プロジェクトV」は、標準で2+1のシートレイアウト(オプションで2+2)を採用しており、リアシートを備えるクルマとしてはユニークな設定と言えるだろう。

気になるお値段は英国価格で8万ポンド(約1535万円)未満を目指すとしており、ケータハム初のEVモデルとして受け入れられるのか注目したい。

【主要諸元 ケータハム プロジェクトV】
全長×全幅×全高     :4255×1893×1226mm
ホイールベース     :2581mm
車両重量        :1190kg未満(2+1シートレイアウトモデル)
最高出力         :200kW(272ps)
バッテリー総電力量    :55kWh
WLTPモード航続距離   :400km
駆動方式         :RWD
タイヤサイズ       :前235/35R19、後285/30R20
目標車両価格       :8万ポンド(約1535万円)未満

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