目標達成には「国のリーダーシップが必要」と堀会長
EVワイヤレス給電はEVユーザーの利便性を高めるだけではなく、停車中の充電(SWPT)はもちろん、走行中の給電(DWPT)もすることによって、EVと電力の需給バランスを調整できるシステムとして、EVの普及や次世代モビリティ社会の発展に不可欠な技術として期待されている。
そうした中、研究開発、普及を促進するために幹事会員5社(関西電力/ダイヘン/シナネン/三菱総合研究所/WiTricity Japan)の声がけによって発足したのが「EVワイヤレス給電協議会」だ。正会員50社には自動車メーカー、エネルギー会社、物流会社、機器メーカー、建設会社、商社などが名を連ねている。
当面、同協議会が行うのは「SWPT、DWPTのシームレスな拡大に向けた導入普及シナリオ、ロードマップの策定」で、2025年度までを立上げ期と位置づけている。会長に就任した東京理科大学の堀洋一教授は「同協議会の目標達成には国のリーダーシップが必要。技術で勝ちながら施策で負けないようにしないといけない」と抱負を語った。
堀会長の感触としては“行政の関心は高い”とのことで、実際にオブザーバー19団体の中には経済産業省、国土交通省、環境省の名前が見られる。
EVワイヤレス充電に関しては国際標準が策定されつつあるそうで、ワイヤードのように様々な規格が乱立するようなことは避けられそうな見通しであるとのこと。日本において開発、普及を進めることができれば、それはそのまま国際競争力の向上につながるというわけだ。
同協議会では2026年度は「車両標準適用に受けた活動を拡大」をし、以後2030年までは「市場立上りに合わせた活動」を行うとのこと。今後の活動に注目するとともに大いに期待もしたい。