2024年1月25日、ヤマハ発動機は水素エンジンと気体用高圧水素タンクを搭載したゴルフカートのコンセプトモデル「DRIVE H2」を発表。アメリカで開催されているゴルフの見本市「PGAショー」で世界初公開した。

ゴルフカートの進化も近年急激に進んでいる

ゴルフ用の用品や設備、サービスなどを展示する世界最大級の見本市「PGAショー」が、2024年1月24日~26日にアメリカ フロリダ州で開催されており、ここにヤマハも出展した。

ヤマハのゴルフといえば今平周吾選手や有村智恵選手などトッププレーヤーが使用するゴルフクラブやウエアなどを思い浮かべるだろうが、今回ここで紹介するのはゴルフカートだ。ゴルフ用品は楽器やオーディオ製品のメーカー「ヤマハ」の一部門として開発されている一方、ゴルフカートはバイクや電動アシスト自転車などを手掛ける「ヤマハ発動機」(以下、ヤマハ)の事業だ。

ゴルフカートも近年大きく進化している。ヤマハの安全装備を例に見ると、数年前まではバンパー内部に搭載されたセンサーで接触を検知すると走行停止する機能だったが、2018年にはカメラを組み合わせた先進運転支援システム「エフィビジョン」を搭載して、走行を妨げるものを検知すると警告、減速、停止する。クルマの衝突被害軽減システムと同様の機能で、ゴルファーの安全なラウンドをサポートしているわけだ。

こうした進化はパワートレーンにも及び、ヤマハ発動機の連結子会社でありアメリカでゴルフカートの販売を行うYamaha Golf-Car Companyは、水素エンジンを搭載したコンセプトカー「DRIVE H2」を開発、PGAショーで世界初公開した。

画像: 前席シート下と、後部座席背面に25Lの水素タンクを1本ずつを搭載する。

前席シート下と、後部座席背面に25Lの水素タンクを1本ずつを搭載する。

現在アメリカを中心に販売されている4人乗りのゴルフカート「DRIVE2 CONCIERGE4」(日本未発売)をベースに、水素エンジンと気体用高圧水素タンク2本(各25L)を搭載している。ガソリン車と同様に燃焼をともなうエンジンだが、燃焼時にCO2を排出しない、よりカーボンニュートラルな内燃機関として注目されている技術だ。

実はこれまでもヤマハは、水素エンジンを搭載した発電機やROV(レクリエーショナル・オフハイウェイ・ビークル/四輪バギー)のコンセプトを発表してきたが、こうした開発技術がゴルフ業界にもやってきたわけだ。ヤマハは今後も脱炭素実現に向けた新たな挑戦を世界に発信していくとしている。

ちなみに日本では、こうしたゴルフカートを公道でも走れるようカスタマイズ、自動運転技術が搭載され、ラストワンマイルのモビリティとして実証実験を行ってる地方自治体や団体がある。こうした現場で「DRIVE H2」のようなカーボンフリーのモビリティが導入される、そんな未来もあるのかもしれない。

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