2年後に高輪ゲートウェイシティ(仮称)に導入予定の、“どこでも乗れて、どこでも降りられる”自動走行モビリティ。今回はそのプロトタイプモデル「iino type-S712」に試乗した。
気になった点
「iino type-S712」は、今年4月の道交法改正に向けた新規格で設計されているが、新規制に合わせた車椅子サイズとなる関係で乗車人数マックスの3人が乗車する場合、寄りかかるとお互いが背負っているバッグ等の荷物が干渉してしまう。
取材日は晴れだったから荷物が少なくて済んでいるが、今後営業運転を開始したら、傘を閉じないと相乗りの人と干渉してしまうが、傘を閉じたらオープンエアなので濡れてしまうという問題も出てくるだろう。
また、周囲の景色に溶け込む木製のシームレスデザインに起因する、どこに寄りかかれば安定するかというのも気になる。手すりの高さが固定なので、身長によっては乗りにくい可能性が考えられ、車輪も小さいので段差がある場所は少し苦手なようだ。
ただ、今後製品開発が進み、どんな人でも乗りやすいユニバーサルデザイン仕様になれば、老若男女問わず幅広く気軽に利用できるモビリティになりうるだろう。
【まとめ】立ち乗り型モビリティの可能性
ここまで、「iino type-S712」の試乗レポートをしたが、新鮮なコンセプトと移動ツールの観光パック化をたった数年でこの水準まで実現した「ゲキダンイイノ」と、積極的な再開発で高輪ゲートウェイ駅周辺のまちづくりを行なっている「JR東日本」には拍手を送りたい。
ちょうど2年後、2025年3月に駅周辺エリアの再開発が完了する予定なので、その時に製品版となった「iino type-S712」で、観光アトラクションとしてのモビリティを体験してみてはいかがだろうか。