183台のモビリティで博覧運営をサポート
2025年4月13日〜10月13日、延べ184日間の会期にて開催されている大阪・関西万博。会場全体を未来社会のショーケースに見立てて、先進的な技術・システムを取り入れることをコンセプトとした「未来社会ショーケース事業」を展開されている。その柱のひとつとして、水素燃料電池船や自動運転・移動中給電を行うEVバスなど、次世代を担うモビリティを実体験できる「スマートモビリティ万博」をテーマとしている。
その会場はとにかく広大で、面積は約155ha(東京ドーム約33個分)にもおよぶことから、関係者・スタッフが敷地内を効率的に移動できる手段を求められていた。そこで、シェアモビリティサービスを日本で展開するLimeは、大阪・関西万博のテーマに沿った活動の一環として電動モビリティを提供。
サービスの利用対象は、万博会場スタッフの関係者のみに限定され、使用可能エリアも会場内のバックヤードのみ。車両は電動キックボード・電動シートボードの2車種、計183台が提供され、利用料金は無料。その使用用途から一般来場者の目につくことはないが、万博の円滑な運営を陰からサポートしている。
広大な会場をカバーするため、183台の電動モビリティで関係者の移動を下支えする
交換バッテリー専用スタンドの試験運用も実施
また、Limeは同会場にて、国内初となる「バッテリースワップステーション(交換型バッテリースタンド)」の設置・運用も行っている。
これは万博会場のバックヤード内に交換バッテリーの専用スタンドを設置し、利用者(万博関係者)自身によるバッテリーの換装を可能とすることで、利用者のニーズへの柔軟な対応、Limeスタッフによる保守作業の負荷軽減を図る試みとなる。

交換用バッテリーの常備により、利用者の便宜向上と運営者の省力化の両立を図る
電動モビリティのシェアリングサービスにおいては、ポートの許容台数に対する駐車台数の平準化、バッテリー残量が低下した車両や故障車への対処などといった保守作業にかかる負担が、運営者にとって大きな課題となっている。今回のバッテリー スワップステーションの設置は、そういった課題に対するひとつの解決策となり得るだけに、このサンプルケースがどのような結果をもたらすのかが注目される。