2025年10月16日、キュリオは4輪の特定小型原付「Q1」を発表した。ジャパンモビリティショー2025では、プロトタイプが初公開されていた。

免許返納者向けの近距離EV決定版を目指して開発中

キュリオは電動の小型モビリティを専門に扱うスタートアップで、これまでに折りたたみ式電動カートや移動用小型車(立ち乗り可能なシニアカー)などを手がけてきた。

今回発表された「Q1」は、16歳以上が免許不要で乗れる特定小型原付区分の4輪EV。半径5km以内の近距離移動手段として、メインターゲット層である免許返納後の高齢者だけでなく、配達業務にも対応できる汎用性を備えた小型モビリティとして開発が行われている。

画像: 最高速度6km/hの歩道走行モードを搭載している。

最高速度6km/hの歩道走行モードを搭載している。

なお、特定小型原付は法律上最高速度20km/hまで加速できる車両区分だが、「Q1」では安全性を考慮して最高速度15km/hに設定されているという。

クルマからの乗り換えを意識した「乗用車ライク」な車体設計が特長

「Q1」は、シニア向けのモビリティということもあって、自動車からの乗り換えを考慮した車体設計が各部に取り入れられている。

たとえば、シニア層が乗り換え時に重視するポイントのひとつ「乗車姿勢」については、乗用車のような背もたれ式、かつ前後に調整可能なシートを採用。さらに、ステアリングホイールも身長に合わせて高さを調節できるチルト機構付きタイプなので、乗用車とほぼ同じ姿勢で運転することが可能だ。

画像: 乗用車と同じシートポジション、乗車姿勢で運転できる。

乗用車と同じシートポジション、乗車姿勢で運転できる。

ステアリングホイールには、メーター画面のほかにも、走行に関わるスイッチ類がまとめられており、警音器やウィンカー、前後進の切替、走行モード切替などをボタン操作で行うことができるようになっている。(後進速度は2km/h)

ちなみに、アクセル・ブレーキペダル操作は、足が不自由なユーザーを想定して、アクセル操作は手元のレバーを押し込み、ブレーキ操作はレバーを離せば即時にかかる、いわゆる「ワンペダル」式である。

画像: ステアリングホイールには、メーター画面に加え、さまざまな機能が集約されている。

ステアリングホイールには、メーター画面に加え、さまざまな機能が集約されている。

ステアリングホイールの左奥には緊急用のブレーキレバーが配置されており、危険回避のほか、駐車時にはロック機構をかけることでパーキングブレーキとして機能するそうだ。

日常生活で安心の登坂性能と積載力を確保

小型の電動モビリティを利用する際、「登坂性能」と「積載力」は重要だ。とくに山間部や坂道の多い地域に住んでいる場合、自動車からの乗り換えでは、安易に妥協できない重要な要素と言えるかもしれない。

一般的な電動車イスやシニアカーでは、ショッピングモールの立体駐車場スロープレベルの10度(約17.63%)まで登坂できるものが多い一方で、「Q1」の登坂性能は、15度(約26.8%)に設定されている。

富士山のヒルクライムルートのひとつ、ふじあざみラインの最大勾配が22%であることをふまえれば、カタログスペックとしては十分な登坂性能を備えていることになるだろう。

また、車体後部の荷物入れには最大30kgまで積載可能で、毎日のお買い物カーとしての利便性にも配慮されている。

なお、価格や航続距離については正式発表されていないが、2026年度の市販開始を目指しているそうなので、続報にも期待したいところである。

【Q1 主要諸元】
全長×全幅×全高     :1770×595mm
歩道走行モード対応   :あり
バッテリー       :鉛蓄電池
モーター        :600W
充電時間        :6時間

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