EVの特性を活かした災害支援
日本はその立地や自然条件から、天災地変に見舞われることの多い国土である。また近年は気候の変動もあり、その被害の規模は年々深刻さを増している。こうした状況下にあり被災時に備えた事前の対策は、喫緊の課題となっている。
災害発生時におけるライフライン確保のために求められる課題のひとつが、電力の供給だ。生活のためのエネルギー供給が途絶する中、電力の提供を行うことができるか否かは、復旧までの被災者の生活環境を大きく左右することとなる。
今回BYDジャパンが締結した協定の主な目的は、EVの特性を活かした「電力供給」にある。具体的には、非常時にBYDジャパンのディーラーが所有するEVを提携する自治体に提供。自治体の指示のもと、避難所や各施設に車両を派遣し、EVで電力の供給を行うという形で被災時のフェイルセーフの機能を担うこととなる。
BYDのEVは、バッテリーに蓄えた電力を取り出すことができる給電機能を備えている。車両には、最大1500Wの電力で電化製品を使用できる「V2Lアダプター」が搭載されており、EVに蓄えられた電力を家庭や家電に給電する「V2H/V2L」システムに対応している。
そのため、停電発生時にはBYDの電気自動車を電力供給源として活用することが可能で、例えば同社の「ATTO 3」からは、同社試算値で1世帯の電力、約4日分を供給することができるという。有時には柔軟な運用のもと必要とされる地点へ自走で赴き、電源の供給を行うという運用が期待される。
地域支援活動の一環として、地元の災害対策強化に貢献
2024年12月4日現在、協定締結が完了したBYDジャパンの正規ディーラーと各自治体は、以下のとおり。
BYDジャパンは引き続き全国の正規ディーラーとともに、全国の自治体および地域社会との連携を深め、災害対策強化の一環としてBYDの電気自動車製品による地域支援活動を積極的に推進していくとしている。