「夢の電池」と呼ばれる車載用の全固体電池(SSB:Solid State Battery)の開発競争がさらに熱を帯びてきた。先行していたトヨタ、ホンダ、日産などの国産車メーカーを、米欧中が急速に追い上げている。去る2025年6月17日には、目下、絶好調のXiaomi(シャオミ)も自社開発の全固体電池の特許を公開。いまや日米欧中が入り乱れて、夢の電池の開発競争に明け暮れている。1回の満充電で1000km以上の航続距離を実現すると言われる全固体電池、果たしてそのウイナーは?(タイトル写真はシャオミの最新モデルYU7)

メルセデス・ベンツに続きBMWも公道走行テストを開始

トヨタやホンダ、日産をはじめとした日本勢が、圧倒的な優位にあると言われていた全固体電池の開発競争。トヨタは2027年から2028年にかけての市販車搭載を目標に出光興産とタッグを組んでその実現に邁進している。その直後をホンダと日産が追いかけており、欧米勢および中国勢との距離はまだ大きいと見られていたのは、1年ちょっと前のことだった。

しかし、この半年余りで情勢は大きく変わりつつある。2025年2月には米ファクトリアル社と組むメルセデス・ベンツが実車に搭載して公道走行実験を開始、5月にはBMWが米ソリッドパワー社との共同開発した全固体電池をi7に搭載して公道におけるデータ収集を開始した。また、ステランティスは前出の米ファクトリアル社と共同開発した試作電池を搭載して、2026年から公道テストを開始すると発表した。

一方、世界で圧倒的なバッテリーシェアを誇る中国勢は、液系のLFP電池の性能向上に注力していた感もあり、自動車メーカーではBYDが2027年を目途に試作車の公道テストを開始すると発表するにとどまっている(CATL、Ganfeng Lithium、Gotion High-Techなど大手電池メーカー/素材メーカーも2027年の実用化を目論んでいるようだが)。つまり、中国の自動車メーカー大手で全固体電池搭載車の発売計画を明らかにしているのは、当面はBYDくらいというのが大方の予想だった。

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