日本交通、GO、Waymo(米国)の3社は、2025年4月14日の週より東京都心7区でWaymo車両による試験走行を開始した。今回のテスト車両には日本交通のドライバーが搭乗し、日本の道路・交通事情の情報を収集して、Waymoの自動運転技術を日本導入に向けて適合させていくのが目的だ。(タイトル画像は日本初上陸となったWaymoのテスト車両)

いよいよ始まった初期フェーズ、まずは日本の道路事情のデータ収集から

都内タクシー大手の日本交通、タクシーアプリのGO、そして米Waymoが、戦略的パートナーシップの提携を発表したのは2024年12月17日のこと。3社共同によるプロジェクトは段階的に進行し、初期フェーズは2025年に東京都心から開始する予定と発表された。

画像: 2024年12月17日に発表された、GO、日本交通、Waymoのパートナーシップ締結。

2024年12月17日に発表された、GO、日本交通、Waymoのパートナーシップ締結。

それから4カ月後となる4月14日週より、実装に向けたデータ収集を目的とした初期フェーズが始まった。走行テストを行うのは、東京都心の港区、新宿区、渋谷区、千代田区、中央区、品川区、江東区の7区。テスト車両には米Waymoでトレーニングを受けた日本交通の乗務員が搭乗し、Waymoの自動運転技術を東京の公道に導入するためのデータ収集を行う。

ちなみに、Waymoの自動運転タクシーが公道を走るのは米国以外でははじめてのこと。左側通行、混沌とした道路環境など、3Dマップの作製を含めたデータ収集が目的だ。それを元に、米国のWaymoチームがブラッシュアップを行い、次のフェーズへと段階的に進めていく。それゆえに、商用運航の開始時期についてはまだ明言されていない。

高輪ゲートウェイでキックオフイベントも開催

去る4月10日には、高輪ゲートウェイにてテスト走行の開始を告げるキックオフイベントも開催され、米国本土を走るお馴染みの自動運転タクシー車両がはじめて披露された。キックオフイベントでは、3社の代表、および来賓のJR東日本の喜㔟陽一代表取締役社長から、以下のコメントが寄せられた。

画像: 4月10日には高輪ゲートウェイにてキックオフイベントも開催され、日本で初めてWaymo車両が披露された。写真左から:中島宏、若林泰治、ニコール・ガベル、川鍋一朗、喜㔟陽一(敬称略)。

4月10日には高輪ゲートウェイにてキックオフイベントも開催され、日本で初めてWaymo車両が披露された。写真左から:中島宏、若林泰治、ニコール・ガベル、川鍋一朗、喜㔟陽一(敬称略)。

●日本交通株式会社 取締役/GO株式会社代表取締役会長:川鍋一朗氏
「1年半前、米国アリゾナ州・フェニックスでWaymo車両に初乗車して、本当に運転席に誰もいないことに驚きました。“これは絶対に日本のためになる。日本の未来、少子高齢化、労働者不足の日本の移動の足の確保のためになる”と私が感じた瞬間でした。15年以上かけてこの魔法のようなテクノロジーを開発したWaymoの皆様、また『100年先の心豊かな暮らしのための実験場』であり交通の結節点でもある、ここTAKANAWA GATEWAY CITYをお披露目の場としてご提供いただいた喜㔟陽一社長に心から感謝しております。米国でのWaymoの取り組みでは事故防止の安全面で大きな成果が出ています。一歩一歩、着実に進めてまいりますので、東京の皆様もこの技術の導入にあたり、ぜひあたたかい応援をいただければと思います」

●Waymo社 事業開発部門・パートナーシップ部門責任者:ニコール・ガベル氏
「日本交通およびGOとの数カ月にわたる緊密な連携の結果、Waymoは歴史的な節目に到達しました。当社にとって初となる海外での公道走行です。私たちのパートナーシップは、Waymoの15年にわたる運用実績が、業界のリーダーたちとの戦略的取り組みを通じて、いかに新しい環境に適応できるかを示すものです。東京においても、私たちは米国で行っているのと同じく揺るぎない原則を遵守してまいります。すなわち、安全へのコミットメント、事業を展開する地域社会で信頼されるための取り組み、そして地元自治体や地域団体との連携です」

●日本交通株式会社 代表取締役社長:若林泰治氏
「日本交通の乗務員は米国でもトレーニングを実施し、今日この日までしっかりと体制を整えてきました。タクシー会社の運行管理のノウハウを活かして、安全運転で自動運転技術の導入のための車両走行が進むよう努めていきます。自動運転タクシーが、将来の乗務員不足を補完する存在になることを期待しています。今般の取り組みを、人と先進技術との理想的な共存関係を作り上げていく第一歩にしたいと考えております」

●GO株式会社 代表取締役社長:中島宏氏
「モビリティの未来に挑戦する初めの一歩を踏み出しました。これまで私たちがチャレンジしてきた事業やサービスのあらゆる経験、培ったノウハウやリソースを、この胸躍る未来のためのプロジェクトに惜しみなく提供していきます。労働人口の低下という社会課題がある中で、自動運転は東京をはじめの一歩としながらもさらに広く展開されていくべきものです。まずはWaymo車両が東京の公道を走る景色が、日本社会に受け入れられ、当たり前の日常となっていくように、着実に取り組みを進め、進捗をまたお伝えしていきたいと思います」

●東日本旅客鉄道株式会社 代表取締役社長:喜㔟陽一氏
「初の海外走行の地として東京を選ばれたWaymoに心より敬意を表します。私自身も2025年米国でWaymoの自動運転タクシーに乗車しましたが、その正確で安全な運転技術に大変驚きました。いつの日か日本の地を走る姿を見たいと熱望していましたが、驚くべき早さで再会できたことに、日本交通、GO、Waymoの皆様のスピード感に敬服いたします。JR東日本としても、Suicaをはじめとした様々なサービスとの連携を模索し、ストレスフリーでシームレスな交通をお届けしたいと考えております。共に日本の交通課題の解決を行い、より良い未来を共に描いてまいります」

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